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LIFE SHIFT

弊社サイト、相変わらずまったく検索にヒットしませんがめげずにブログは更新していきます!というかあと2か月くらいはヒットしないようです!

起業をテーマに備忘録も兼ねてこのブログに徒然書いていますが、今回は27年勤めた前職を辞める大きなきっかけとなった本をご紹介します。ご紹介しますと言ってもたいそう有名な本ですから読まれた方も多いことでしょう。私は最初、東洋経済誌での本書の特集記事をたまたま読んで衝撃を受けました。

リンダ・グラットン著の「LIFE SHIFT」です。

 

実は私はビジネス書や自己啓発書の類にあまり関心がありません。毎日、新聞紙面や書店でこれら書籍のタイトルや内容は結構チェックしたり本をめくってみたりしますが、よほど自分に合う本でないと買うことはありません。私の持論ですが、人はそれぞれパーソナリティの違いが顕著にあるので、例えば「突破力と推進力のある著者が○○しなさいとこれみよがしに書いた本」が効くのは同じようなタイプの人であろう、とか思ってしまいます。もちろん、自分では難しいと思っても確かに!と思えることがあれば取り入れるために読むのは良いと思いますが、高いビジネス書をたくさん買う小遣いもないし(笑)、タイトルでふむふむと思えばいいかなと思っているタイプです。でも、この本を読んで少々変わりました。これまでビジネス書や自己啓発書に対して日和見をしていたなと。知らないけど素晴らしい本がたくさんあるなと。そう思いましたし、個人のパーソナリティとは関係なく全世界で誰にも共通して起こる話なので自分のこととして理解しやすかったのかもしれません。

 

ネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、この本が言っているのは

●人生100年時代が到来する。長い生涯の到来。長く生きるようになると変化が今よりも当たり前になるので、人生に新しいステージが登場する。

●これまでの「人生の3ステージ(教育→仕事→引退)」の範囲で済む時ではなくなり、仕事ステージの期間が長くなる。思っていたより20年くらい長く働かねばならず、生涯に二つや三つのキャリアを持つようになり、その選択肢も多様化する。就職や引退の常識が変わる。

●仕事の生産性を高め所得とキャリアの見通しを向上させるのに役立つ資産=スキルと知識=自分が情熱を燃やせて興味を持てるものごとをもって所得につなげていくべき。

●マルチステージの人生を前提にし、自分らしい人生の道筋を描くようになろう。

 

こんな内容です。仕事のステージが長くなりますが、ここの部分では何種類かの働き方のパターンが示されます。伴侶や家族、おカネとの関わりなども示されます。

 

私は長いこと漫然と「60の定年までまだ〇〇年もあるのか。なげーな~」とか、「はやく定年になって会社引退したいな~」などと思っていたものです。でも40を過ぎたあたりから「この仕事が好きだから続けたいけど50までが限界だとしてその後10年何ができる?」とか「60で定年後にどやって食っていく?」「不器用だからできることは限られるなあ」といったリアリティある不安が頭をもたげはじめました。今度はこの不安を漫然と抱えて10年過ごしたのですが、ある日突然出会ったこの本で腹落ちしました。70まで、もっと、自分のやりたいことで楽しく働かなきゃダメだな!と。60まで頑張ろうじゃ話にならないな!と。

 

思い返せば、画家だった祖父は自分の趣味を仕事にして死ぬまで絵を描いていたし、大学の教授だった父も自分の趣味を仕事にして71に突然死ぬ日まで大学で楽しく働いていたな、と。70まではあと20年くらいあるから、今準備すればまだまだ楽しくシゴトができそうだ!と思いましたし、マルチステージというからにはVMD以外にもやりたいことができたらチャレンジすればよいのかも!と。マンションの管理人もやってみたいし江戸東京たてもの園の副館長もやってみたい!

それにしても、胸を張って自分の資産と思える「VMD」というシゴトと出会えたことに感謝するばかりです。とはいえ私はその中でもまだほんの一領域しか知らないのですから、まだまだ学べる余地もありますし、人生まだまだ楽しめそうです。こんな風に思いながらできる限り楽しくシゴトと人生を続けていけたらいいな!と思いました。前職を辞めて自分で好きなようにやってみようという大きなキッカケになりました。

 

ところで、この本によれば自分の娘たちは100歳過ぎまで生きる可能性が高いと。彼女らはどんなキャリアを重ねてどんなふうにライフステージを送っていくのでしょうか。想像もできないようなことになるのか、案外いまと変わらないのか(笑)

 

「LIFE SHIFT」のカバー裏にはこんなことが書いてあります。

 

お金偏重の人生を、根底から変える。

成長至上の次に来る、新しい生き方。

 

ちょうどボクらの世代にはグサっとささる。でも若い人たちにもこんな本を読んでおいてもらって、今後も数多くの困難が待ち受ける世界に柔軟に変化対応していってほしいと願います。