VMDとは?

VMDの概念図(VMDのフィールド)

VMDの概念図

VMD概念図 © 2018 2DISPLAY Inc. 株式会社トゥディスプレイ


 

VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング:visual merchandising)とは、

 

「展開の統合的な視覚化(とそれによるブランディング)」であり、

企業・店舗の価値とイメージの向上、購買意欲の喚起、売上の向上、

そして顧客の創造を目指すことを目的とします。

  

平易に言えば、 「売り方、見せ方、並べ方でお店のイメージを創ること」と言えます。

 

VMDは

  1. マーチャンダイジング(サービスを含む)
  2. 環境
  3. 演出(販促や装飾など)

の3つの活動フィールドにより構成されます。

 

視覚化するための様々な理論とテクニック、「統合」の捉え方がありますが、視覚化することでお客様の共感と関心をよび、つかまえて、お買い上げいただくキッカケになれることがVMDの真骨頂です!

 アナログながら双方向のコミュニケーションツールと言え、今の時代、デジタルツールの活用やSNS・ネットとの連動によるビジュアル的な統合やシカケ作りも重要かつ必須です。

 

ブランドらしさの発信という機能とともに、小売においては販売サービスの一部でお客様のために取組むべきことであり、お客様のため(利便性・楽しんでいただく、ワクワクしていただく、世界観に浸っていただく)に取組むことが自分達のため(顧客獲得・イメージ向上・売上向上)になる構造となっています。自店の得意とする品揃えとその提案表現でお客様の共感を生み潜在的な新しいニーズを呼び起こす役割もあります。

 

シンプルに、ワクワクする華やかで空間演出的なディスプレイやインスタレーション的陳列のこと、特に新しい手法をとってVMDと解釈する場合も多いですが、ディスプレイデザイン・空間デザインとしてのVMDは結果として表現されたものであり、それを実行するには様々な計画やマネジメントの観点が必要となります。実行者である小売業の観点と、VMDデザイナーの観点は異なることも多いため、それらを一本化するコンセプトの共有が重要です。

 

店舗運営上の周辺要素まで含み永続させる業務フローを用意しないと中長期的に破綻をきたすこともありますので、特に大きな企業の場合は経営トップの理解と方針化・組織建て・専任人材育成登用といったインフラ、実行予算・業務フローといったベースとなる計画管理を持ってシステマチックに運用実行する必要があります。

 

今後はより精度の高いバーチャル空間のVMD表現としてこれまでのVMDノウハウを移植進化させたり、リアル店舗のVMDノウハウや手法をECサイトやSNSの展開表現へとシームレスにつなぎ展開の視覚的統合をDXの領域にも載せて広げていく「VMDX」への対応が求められるでしょう。

 


※① 

MDP(マーチャンダイズ・プレゼンテーション: merchandise presentationとは、

 

マーチャンダイズ(バイヤーが仕入れた商品)をプレゼンテーション(陳列・展開・視覚伝達)するの意。

商品の陳列そのものと美観配置の手法、それによる展開統制であり、VMDの一領域。

弊社はMDPを大変重要視しています。店舗の基本的「人格」「性格」や「健康状態」を表すからです。

一般的には「MP」と略しますが、2DISPLAY代表は長年「MDP」で親しんできたためそれを使っています。

 

MDPはVMDマネジメントのいくつかのレベルにおける一側面ですが、VMDの中でも店頭運営全体に影響を与えるものなので弊社ではとても重要視しています。

 

※②

マーチャンダイジング(merchandising)とは、

 

組織の方針に沿って商品を計画し、状況に対応しながら動的にこれを実施すること。小売業において、その店・お客様にとっての適品・適時・適価・適量を達成するため、商品を並べてお客様に売り、店頭でのお客様の声やマーケティングに基づいて新たな商品を計画し買い付け、買った商品を戦略的に売るべく計画し販促し店頭に送り、商品を並べてお客様に売る・・・というループした流れのことで、営業方針から来るこの流れに関わる業務すべてがマーチャンダイジングを構成し、販売やサービスも含まれます。マーチャンダイジングの過程でバイヤーが買い付けた商品がマーチャンダイズ(merchandise)です。マーチャンダイジング計画は、VMDの元となる売場コンセプトそのものと言えます。

 

計画とは・・・

 

  • 「誰に」   :どんなモノ・コト・買い方を好む、どんな暮らしをしている人に、
  • 「何を」   :どんな商品を、どれだけ、いくらで、
  • 「いつ」   :どの時期に、いつからいつまで、
  • 「どこで」  :チャネル、地域、店舗、売場・・それらのどの場所で、
  • 「どうやって」:どんな物流のしかた、シカケかた、売り方、見せ方、購買意欲の高めかたで、

           売っていくのか。

  • 「なぜ」か。 :そもそも、なぜ上記が必要なのか。どんな需要や課題があるのか。

 を考えることです。

情報取集と分析による予測や見込み、反省と修正が必要です。

時代、人、世の中の仕組み、暮らし方、趣向性が変わればマーチャンダイジングの中身や手法、組み立て方は当然変わりますが、上記の本質は変わりません。

 

臨機応変、柔軟に対応せねばなりませんし、現状の環境や展開機能ではお客様の要望にお応えできないと判断されれば、改装したり新店舗を出したりと、投資をせねばなりません。これが「状況に対応しながら動的に実施」の意味です。

 

VMDは文字通りマーチャンダイジングの好循環と売上向上をお客様の視覚に"ビジュアルイメージ"として訴えることで支援する取組みです。VMDもMDPもマーチャンダイジングとは絶対に切り離せず、両輪とならないと効果が出ません。VMDは、上記5W1Hにおいては「どうやって」の中の「購買意欲の高めかた」の切り札となります。

 

マーチャンダイジングという言葉は一般的には商品企画・計画や買付業務のことと捉えられていますが、これにプラスして「視覚に訴える店頭での陳列・ディスプレイ計画や装飾計画」まで含め一貫して行い、店舗間の横串統制をとる実務担当者をVMD(ヴィジュアル・マーチャンダイザー)と呼ぶことも多いです。装飾のデザイン・制作やツールの買付までされる方もおり、まさにマーチャンダイジングとVMDの両輪の具現者と言えるでしょう。

 

VMD実務者類型 (2018. 2DISPLAY Inc.田邉潤一)
VMD実務者類型 (2018. 2DISPLAY Inc.田邉潤一)


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