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ショーウィンドウってなんだろう

 

いつもの遊歩道のウォーキングコースが、工事のために通りの方に迂回させられることに。そこで、思いがけぬものを発見。道路沿いの会社が自社ビルに設けているクリスマスのショーウィンドウです。

 

 

なんだよ。手作りのやつかよ。と思われる方もおられるでしょう。ここ、VMDのブログですしね。でも、ここ小売店舗じゃないんですよ。いつも何か手作りのディスプレイを展開していますが、このスケールのウィンドウを装飾するのは小売業でも大変なわけで、好きじゃないと絶対にできませんよ。 

 

しかも、広大な床には脱脂綿が分厚く積層されてます!これ手配するだけでも大変。ツリーも立派だし、根元にはたくさんのプレゼント。ワンコが走り回ってて、大きなサンタさんが見守っている。良く作ってますよホント。保管も大変だろうな…

 

デザインがものすごく凝っているわけでもないし、端から端まで目一杯モチーフ置いて使っているわけでもない。でも、十分伝わります。クリスマスシーズンだから、地域の方に楽しんでもらいたい!っていう店主の気持ちが。

 

店主じゃないかもしれません。手作り工作が好きな従業員の方がおられるのかもしれません。いずれにしても、「ショーウィンドウはショーウィンドウらしく使おうよ!」という心意気と、おもてなしの心が溢れていますよね。見てよ、このサンタさんの顔!!

 

やってることに愛がある。


店主の気持ちやサービス精神を季節のテーマや商品に乗せて、手がかかってもお金がかかっても手を抜かずに演出して、皆に見て楽しんでもらう。客や近所の人は、ワクワクと非日常感をおすそわけしてもらう。

 

ショーウィンドウってそういうものです。

"show"するウィンドウですからね!

店主の良心ですよね!

 

僕は心を動かされましたよ!

 

 

ウチの近所の商店街にある小さなお寿司屋さん。ウォーキング中に撮影。この店、サンプルのショーケースをいつも季節のモチーフで思い切り飾り付けてます。これはハロウィンの時に撮ったものですが、今はクリスマスだし、年末年始は思い切り正月飾りだし、春は桜だし。飾るのがお好きなんでしょうけど、やはり店主のサービス精神をムンムンと感じます。お寿司屋さんらしいかどうかはさておき(笑)、綺麗に拘って並べてますしね!店主の趣味性、遊び心、店先をにぎやかに楽しくしたい!という気持ちを映していますよ。

 

 

ここは近所の蕎麦屋。交通量の多い交差点の角。ウォーキング中、赤信号で止まった際に撮影。立派なショーケースで、もはやショーウィンドウというべきもの。蕎麦屋では持て余します。メニューが判ればいいのだから、これでいいですよね。と、考えているやらいないやら。おそらくお店はなーんにも考えてもいないでしょう。ただただ持て余している。

 

どうせなら後方の簾と引き戸も取っ払って、客席をルックインで見えるようにすればいいのに・・ もしくはウィンドウを取っ払って席数増やした方が良いのでは??

 

とも思いますが、投資はできませんよね。サンプルを作ることすらできないでしょう。使い切れない大きなショーケースは罪作り。裏寂しさを助長します。

 

 

これは巣鴨の甘味屋さん。昨年の秋頃撮影。ショーケースですが、陳列も美しく、最上段の季節のディスプレイの見事なことときたら!手抜きのないVMDだし、ショーケースだけどショーウィンドウのような訴求力があります。企業イメージを醸成する立派な顔です。きっと、ショーケースがどんなに大きくても素敵に表現してくれるんでしょうね。

 

 

写真判りにくいですが、近所の建設会社本社ビルのショーウィンドウ。ウォーキング中に撮影。妙な高さになってて、見にくい。しかも、変なミニチュアや読めないパネルや看板でとりあえず間を埋めている。何が伝えたいのか判んない。

 

それ以前に誰もこのショーウィンドウに目を留めないでしょう。

ショーウィンドウは作ればいいってもんじゃない。

 

ショーウィンドウは店主のおもてなしの心、お客様に楽しんでもらおうというサービス精神と心意気の現れ。小売店の良心。そしてお店の顔。アイデンティティ。季節にあわせて工夫して、できればおカネを惜しまずに取り組むもの。それにお客様は心踊らされる。

 

ただの訴求媒体になったり、策に溺れて伝わらないものになったり。使い切れなくなってガラス面なのにモノを積んで埋めて壁にして顔じゃなくしてしまったり。特に昨今の大規模小売店のショーウィンドウは景気の悪さや店主の店構えに対する理解のなさを露呈することが多くなり残念です。経費がなくなったら真っ先につぶされるショーウィンドウ。本来は、どんなに経費削減したとしてもこれだけはまともに運用しないとダメだと思います・・

 

おカネはさておき、ショーウィンドウに対して愛がないなら仕方ないか…


とかいう愚痴が出てくるくらい、冒頭の近所のショーウィンドウ、クリスマスディスプレイは心和ませてくれるものでした。ハッとさせられました。厳密にはVMDではなく、ただの飾り付けです。でもいいんですよ。やってることに愛があれば。それで企業のアイデンティティがこれでもか!って出ているんですからね!

 

2020.11.22追記:2020年のクリスマスウィンドウは、サンタがねぶたのような立体張子になって光っています!感動しました!
2020.11.22追記:2020年のクリスマスウィンドウは、サンタがねぶたのような立体張子になって光っています!感動しました!