· 

思考の整理学

 

ウォーキングが気持ち良い季節になりました!


昨年の秋冬はすっかりサボってしまい、すっかり太ってしまいました。。スーツもボタンが締まらんしパンツもボタンが締まらん!このままではアカン!!ということで久しぶりにウォーキングを再開しております。お酒も減らしてるし、秋までには少しお腹が引込むかな・・・

 

気持ちの良い桜並木の遊歩道。真っすぐなのでガンガン歩くことができます。
気持ちの良い桜並木の遊歩道。真っすぐなのでガンガン歩くことができます。

 

小平市の私の自宅(兼事務所)のすぐ裏から多摩湖自転車歩行者道に入れます。五日市街道関町5丁目の交差点から多摩湖(狭山公園入口)までの11kmほどの遊歩道。この遊歩道を1時間半くらい歩きます。その日の気分で起点方面に行ったり、多摩湖方面に行ったりを変えますし、途中で小金井公園に入れるので草の薫りと鳥の声を感じに行ったり、数パターンの歩き方をしています。クルマが来ないし、センターラインが引かれた左側通行なので人ともぶつからない!左側通行が好きな私には理想的な散歩道です。

 

最近名前が多摩湖自転車道から多摩湖自転車歩行者道に変わりました。通称グリーンロード。
最近名前が多摩湖自転車道から多摩湖自転車歩行者道に変わりました。通称グリーンロード。

 

その1時間半のウォーキング中に、着想が次々に湧いてくるのを改めて実感しています。スマホを見ることもなく、一人で好きな音楽かけながらガンガン歩く。こういうときに、ふと思いついたことから色々勝手に発想が膨らむんですよ。

昔から、静かな状況では日常つねに仕事のことを考えてしまう癖があって、家にいるときも旅行しているときも風呂でもそうで、リラックスしてるはずなのに気が休まらないところがありました。プラモ作ったり楽器を弾いたり、何かに集中していれば大丈夫ですが、歩いているときなどはボーッとしつつも必ずなにか仕事のことを考えていました。コンセプトワークの原案はほぼこんな感じで着想していましたし、人間関係の悩みも並行して悶々と考えていました。

 

仕事のことを考えるならまだマシですが、研修中にファイナルファンタジーⅦの攻略のことで頭がいっぱいだったり、そんなこともザラでした(笑)煩悩でいっぱいだった。今はそんなことなくなりましたけど。

 

そんなわけで、静かな状況下ではいつの間にか考え事に集中してしまうんですね。無駄な考え事はしない方が良いですが、役に立つ「思考」ならした方が良い!ということで、ウォーキングの1時間半は思考の時間に使っています。

 

見晴らしのよいポイントもあって晴れた日はホント気持ちいい!そしてなにより静か。
見晴らしのよいポイントもあって晴れた日はホント気持ちいい!そしてなにより静か。

 

私は一年前に前職を早期退職して独り立ちしましたが、会社を辞めることを構想しだしてからは、仕事のことをリアルに考えるというよりも「VMDって何??」とか自分の将来のコンサルネタの思案、母の介護問題と自身の今後の身の振り方の思案にとって代わりました。ウォーキング中は言うまでもなく、通勤中も外出中もです。今思えば、ただの思案ではなく結果的には良い結論や結果を導き出す思考の積み重ねだったと感じています。

 

頭にせっかく浮かんだ着想も、すぐに記録しないと忘れてしまい戻ってこないんです。後でメモろうと思っていたら全く思い出せない・・なんてことがしょっちゅう。そこで、通勤中も視察中もウォーキング中も、思いついたら常にスマホのメモに記録するようになりました。赤信号の間やベンチのある所で。後日そこからまた次の思考が進むと、メモに書き足したり編集したりしました。

 

会社を辞めることがリアルに視野に入ると、自分の会社の思考の枠に囚われない着想が次々に湧くようになり、スマホのメモはどんどんたまり、コンサルとしての独自ネタも充実してきました。独立した後のイメージも湧き、辞めても大丈夫なような気がしてきました。何より、自分の考えが目に見えてきて楽しい!

 

道路との境界で信号があるポイントでは、赤信号の間にメモメモ・・・ 今年も綺麗に咲いてる。
道路との境界で信号があるポイントでは、赤信号の間にメモメモ・・・ 今年も綺麗に咲いてる。

 

スマホにたまったネタは、会社を辞めた後にすべて文書として書きうつし、推敲したり、再構成したり、膨らませたり、順番を入れ替えたり、図式化したりしました。次なる着想、自分にしかない考え方の裏付けを得るために、関連すると思われるまったく異領域の本を買って読んだり。楽しいもんですよ~。会社でこんなことやっていたら怒られますからね(笑)辞めたから自由自在です。

 

そうして何度も何度も思いつく度に書き直して読み返しました。
すると、不要な記述やダブりも見つかります。漏れているネタがあることにもすぐ気づきます。不要なものは捨てます。
そんな感じでコンサルネタを膨らませていき、項目出しをして全体の構成を見つけ、それをもとに、WEBサイトの構成案を作って執筆を行いました。完成した時は素晴らしい内容だと自画自賛しました。

ところが、サイト完成後しばらく放置してから文書やサイトコンテンツを見ると、あれ??という怪しいものが見えてきます。すると、さらにその上をいく着想が涌いたり、補足ができたり、またまた不要なものが見えたりします。そこから、別のフレームがいきなり着想されたりも。

今見ると、WEBサイトのコンテンツ、正直なんだかな~~です。作り直すのは大変なので(笑)、ちょっと修正しないといけません。

 

そして仕事のオファーが入るようになると、クライアント様のご要望を切り口にして、また別のアプローチが湧いてくるんです。違う立場の方、異分野異領域の方との接触で考えもしなかったアイデアが浮かんじゃう!井の中の蛙では発展しないのですね・・

 

遊歩道の起点あたり。道も広く木陰もたくさん。個人的にはここがいちばん気持ちよいと感じます。
遊歩道の起点あたり。道も広く木陰もたくさん。個人的にはここがいちばん気持ちよいと感じます。

 

こんな感じで、我ながら良い思考をしたな~なんて思っても、その話を他人にしてみたら全然わかってもらえなかったり、ウケなかったりすることがよくあります。今は発想と実行スピード重視の時代ですが、それでも生煮え状態ですぐにお披露目するのは良くありませんね。

 

なにかの着想を文書にして上司に披露すると「こんなこと指示してねーだろ。お前、いっつもこんなことばっかり考えて悦に入ってんじゃねーよ!」と怒られたものですが、そのご指摘は当たっていたのでしょう。部下は上司の指示にだけ従えばいいんですからね。はいはい私が悪かったです。部下に披露しても「考えすぎですよ」って顔に書いてあることが度々。時間をとらせてしまい申し訳ないし、傷つきガッカリします。。せっかくの前向きなモチベーションが下がります。

 

こちらは早く意見を聞きたくて披露したくてしょうがないのですが、少し頭とメモに収めて置いて熟成、発酵を待つのがよいこともあるようです。一拍二拍、置いた方が・・ 

 

遊歩道から小金井公園に入れます。ヒマラヤスギのポイントが大好き。緑に癒されて精神安定…
遊歩道から小金井公園に入れます。ヒマラヤスギのポイントが大好き。緑に癒されて精神安定…

 

さて。いよいよ本題です(笑)

 

最近よく売れている、外山滋比古先生の「思考の整理学」という本。私は考え事や言ってる事がとっ散らかるタイプ(話しながら「あ・・またとっ散らかってる!って自分で気づく)なので、何かそうならないですむ理屈を学びたいと思い、ビジネス書かと思い買いました。ところがそういう類の本ではありませんでした。随筆みたいに、「なにかテーマが見つけられ、自分の考えとして発展し、洗練収れんされていく過程」が「思考の整理」として順序だてて語られているんです。

 

読み始めてすぐ「??」「思ってた本と違った・・」と感じましたが、しばらく読み進めていったら「これ、もしかして自分のやっていることと似ているのでは!?」と、大変に僭越ながらも実体験として共感できたわけです。散歩に出るのがいいとも書いてありました(笑) 先生のお書きになっている実例からすれば私の思考の過程の例など大したことなく稚拙なものですし、書かれていることの半分も実践できていません。全ては私の勘違いかもしれません。それでもなんだか嬉しく、前向きな勇気を与えられました。こういう作者とのシンクロのような思いを感じて本を読めるのは嬉しいものです。

 

考え事や言ってる事がとっ散らかる性質は、考え事をメモするようになってから少し良くなった気がします!ブログの文章構成は相変わらずとっ散らかりっぱなしですけどね!

 

外山滋比古先生の「思考の整理学」(ちくま文庫)
外山滋比古先生の「思考の整理学」(ちくま文庫)

 

この本、カバー装画が安野光雅先生です!

溢れ出た着想が、徐々にろ過されて整理され、洗練収れんされていく様を現わしたものでしょう。VMDをシゴトにしている自分には、展開分類表に見えてきます。売場作りの中で展開分類を考えるということは、整理学であるということですからね。いかに壮大に尾ひれを膨らませていったとしても、結果として色々なものを混ぜたとしても、シンプルな出発点や目的は大元、根っこにあり、そこを辿れるという点も。