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ペットボトル緑茶の飲み比べ演習

 

長い夏もようやく終わり、と思たらもう11月・・・

陽も短くなって年末っぽくなってきましたね。

涼しくなったのにまた夏日に戻ったり、どうなってるんでしょうか。

皆さま、体調崩されませんように!

 

 

昨年から担当させて頂いている、専門学校でのマーケティングの授業。

1コマ70分×2コマ=140で1講義。前期後期で30講義やってます。

先週の講義で20回目、やっと終盤に入ります。長い~。。

 

マーケティングはどうしても座学中心になってしまうのですが、座学にすると学生も140分もたない(つまらないし、眠いし・・)ということで、演習やアクティブラーニングを出来るだけ多く取り入れて工夫しています。なにかやらせないと一瞬で寝るかスマホに夢中になっちゃう・・僕が大学生の頃はスマホなかったけど、やっぱ座学は寝てましたよね。授業もあんまり聞いてなかった。因果応報。反省してます。

 

学生が楽しく取り組める授業という点で、私の前に担当されていた先生の伝説の授業・・緑茶の飲み比べ演習というのがあったそうで、昨年、校長先生との面談時にやってみたらどう?と後押しされたりしたこともあって、本年からやってみることにしました。

 

前任の先生にやり方などヒヤリングさせて頂いて、自分なりのアイデアも加え、家で家族に協力してもらって実験したうえで先週やってみました。なかなか楽しかったので、こちらでもご紹介したいと思います!

 


 

プロモーションマーケティングの演習ということで、

「ペットボトル緑茶を試飲分析して、ポジショニングや新しいプロモーションを考えてみよう!」といったテーマ設定でグループワークさせることにしました。

 

緑茶は5種類試飲させるのですが、まずは自分自身でも理解していないと話になりませんので、スーパーで緑茶を8種類買ってきて、同じ試飲分析を家族全員でやってみたうえで、特徴や違いの差がうまく出る5種類を選ぶことにしました。

 

買ってきたのはコチラ!!

 

 

左から、

颯、伊右衛門、綾鷹、生茶、おーいお茶、生茶カフェインゼロ、おーいお茶濃い茶、ヘルシア緑茶。

 

 

こうして並べてみるとなかなか壮観です。

この並び順、私が考えているポジショニングに従って左から右に意図のある順番にしてあります。このあたり、授業の内容に関わってくるところ。

 

僕、妻、長女、次女の四人で左から順に飲み比べて、主に色、香、味の3点について特徴や違いをディスカッションしていきました。

 

 

飲む前に透明コップに全種注いで並べ、色の具合を眺めます。これが結構違ってて面白い!意図が当たったか偶然か、左は薄黄、隣は少し緑ががり、真ん中あたりは同じような薄オレンジで、右端が茶色い!この時点でかなり盛り上がりました(笑)

 

 

次女に授業で使うワークシートへの記入をやってもらいました。みな思うことをあーだこーだとバシバシ発言して、苦いだの美味しいだの水みたいだの確かに香りが二度するだの案外フツー過ぎるだのスッゲー苦いだのまずいだの、こういう意見をワークシートにたくさん書いていきます。授業では色や風味以外に、ボトルデザインの観察や、コンセプトやターゲットも調べさせて総合的な意見をまとめさせます。で、最後にもっとくこうしたらよいのに!という提言を書いてもらいますが、我が家ではここはオミット。ポジショニングは作りましたよ!

 

ちょっとずつしか飲んでいませんが、8種なので一通り飲むとお腹いっぱい。

 

気になるものを何度か飲み直したりして意見も微調整。こうやって段々精度が上がっていきますが、前に飲んだものの風味に次飲むものが悪影響を受ける場合があり、水みたいに薄いと思ったものが次の日飲んだらちゃんと味がしたり、難しい点もありますね。いずれにしても家でのリハーサルは楽しく盛り上がりました。

 

試飲結果をもとに授業で使う5種を選んで、いざ授業準備へ。

学校の近くのカクヤスに注文して届けてもらいました。店舗から直送で配送料無料!!

 


 

授業で使ったのは、

颯、綾鷹、おーいお茶、生茶カフェインゼロ、ヘルシア緑茶

の5種類。

 

試飲のやり方を説明し、指示するまでコップに注ぐな飲むなとか、コップ持って暴れるなとか諸注意してグループごとに配布。でも話聞いてないからコップにすぐ注いじゃいますな(笑)

 

 

色がスゲー違う!とあちこちから声が。

 

何これ!ふれあい動物園の臭いだ!とか、草の臭い!くせー!とか、まっず!!とか、悲鳴のようなコメントがあちこちから続出。。世代で風味の捉え方も変わってきているのか・・みな苦いと文句言いつつもヘルシア緑茶に興味津々。

 

常温での試飲だったこともあったのか、美味しいという声があまり聞こえなかったのが意外でしたが、我が家では水みたいと酷評されたお茶が、スッキリして飲みやすいとすごく支持が高かったりと面白い結果も見えました。

 

 

ウン!ちゃんと香りを嗅いでいる!

 

試飲結果を踏まえポジショニングさせるところまでは上手く行きましたが、新しいプロモーションやCM演出を考えさせるのは難しい。学生誰もテレビを見ないから、今夏あれだけやっていた颯のCMも誰も知らない。スマホで調べさせて見てもらうと、そこで初めてボトルデザインとつながりが見つかったりして発見があったりしまして、結果オーライか。でも改善点とか新しいキャッチコピーは楽しく考えてくれました。

 

ポジショニングから新たな市場を作れそうな緑茶の新商品を考え、名前とキャッチコピーとコンセプトを考えさせるという最後のお題はヒジョーに難しかったようですが、面白いものが出て来てましたし、授業としては成立したかな!


なんで颯って名前にしたのかな、とか

なんで濁らせてるのかな、とか

なんで国内シェアNo.1なのかな、とか

カフェインってなに?これをゼロにしたいのはどんな人かな、とか

トクホってなに??みたいなことを考えてもらって、マーケティングや企業の製品開発努力のことにリアルに思いをいたらせてほしかったですが、一生懸命調べてましたね。

 

緑茶じゃなくて炭酸飲料でやったら?と言ってくれた学生がいましたが、お腹ガブガブになりそうです。。

 

 

緑茶市場は様々な製品が覇権を争っていますが、やはりお茶らしいベーシックなものは年齢問わず強い!と思わされました。一方、15年20年後、昭和のお茶好き世代が減ってくる頃に緑茶市場はどうなっているんでしょうね・・

風味の好みも人気商品も、緑茶市場の規模も大きく変わるんでしょうか・・

個人的にはこんなことを考えさせられて、15年20年後を楽しみに待とう!と思った次第です。

 

5種類くらいだと気軽にできると思いますので、ぜひ試してみてください!

 

今回の演習授業は終始楽しく進みました。次回から試練の2回連続座学!!