2023年ももうすぐ終わりですね・・・
今年はおかげさまでお仕事も増えまして、非常勤の講師の現場も新しい学校がひとつ増えたり、デザインさせて頂く案件が増えたり、新しいチャンスに巡り合えた一年になりました。
肩の力が抜けてないよ!
と言われて肩の力を抜くようにしたら良いアイデアが出るようになったり、
もっと大胆に考えてもいいんだよ!!
と言われた瞬間に良いアイデアが降りてきたり、
まだまだ修行中!!
さて、去る12月13日・14日に彩ユニオンさんの展示会が行われました。
マネキンメーカーを主軸とするVMD業者さんは展示会の機会がめっきり減りましたが、彩ユニオンさん、そんな中で気を吐いておられます。
今回は売りを攻める展示内容とのことでしたが、紙製マネキンの型バリエーションや、展開機能やPPとしての部位パーツへの派生提案はとても見応えがありました。リース什器のデザインも洗練され、結界用の格子パネルやラウンドテーブルなど、これは使ってみたい!と思わせるものや展開構成が見事。
今回、会場のコアとして縦型の大型デジタルサイネージを環境背景に用いたディスプレイの構成提案がありました。他にもデジタルサイネージを用いた売場構成の展示もありましたが、ビジュアル表現としての用途以外にも、昨今トレンドになっているリテールメディアをVMD的に解釈することができる展示でとても良いと思いました。
最近アットコスメオーサカを視察したときに思い知らされましたが、デジタルサイネージはもはや使い方においてはサイネージというコトバだけでは括り切れない進化をしていますので、思い切った使い方をしてみる必要をヒシヒシと感じています。
実は、彩ユニオンさんとは私が非常勤講師をしているファッションビジネス系大学のファッションビジネスマネジメントコース4年生のクラスで、今年から産学連携授業にご協力を頂いています。
元々は、数年前に私ならではの授業・・店創りの観点からVMDを考える科目の新設を考えているとのお話を教授から頂き、それが実際実施される段になったら「店舗開発マネジメント論」という科目名になっていて、しかも産学連携授業でやってくれと・・・
当然「営業活動」が必要でしたが、彩ユニオンさんは産学連携の主旨にすぐにご賛同くださいました。
「店舗開発」というコトバは、店舗新規出店のための出店地域の市場調査、立地と物件の決定、店舗の設計から開業までの一連の実務をさしますから、VMDだけの話では到底ないということ。悩んだ結果、このクラスが3年次に取組んでいるワールドさんの産学連携授業(チームに分かれて新規ビジネスのファッションブランド開発をする演習)の続きの位置づけで、3年次に創り上げたブランドコンセプトや収支計画を元に店舗開発目線で更に具体的な計画推進と進行管理、MD・VMD計画策定、立地調査や店舗設計、事業計画書作成等の模擬演習をやってみることにしました。
3年次の各チームの成果発表を聞いたときに「この店舗造りやVMD計画にシゴトで携われたらすごそうだ!」と本気で思ったのも理由のひとつ。
「論」とついていますが、論じません!やってみるのみ!!
店舗開発マネジメントゲームにようこそ!!
★ミッション(ストーリー):1年後に新店舗をオープンさせる。そのために、4月から店舗開発プランを行い4か月でプランを固め、社長決裁を受け、発注と準備にかかる。これはコンペである。採用された1ブランドの店舗のみが出店できる。
このミッションを、実際の企業での仕事のようにプロジェクトチーム内で役割分担を決めて実行!
グループリーダー、店舗ディレクター、MDディレクター、営業ディレクター、販促ディレクター、業務ディレクターの6つの役割で進めて行きます。
事前に設定された基準スケジュールと作成書類(約20種類)に対し「誰が何をいつまでに」「誰と連携して」進めるか、初回にメンバーで意見交換して授業内進行のマスタースケジュールを立ててスタート。当初計画スケジュールが回らなくなったり破綻しそうになる前に予測をしながら柔軟に軌道修正、計画スケジュールの修正とチーム内共有を行う。3年次の産学連携授業で作成した書類やその内容を最大限に活用・応用し、「自分たちが本当にやってみたいこと」を大事にしながらローリング&精度アップを図る・・・という内容です。
中間で彩ユニオンさんのデザイナー陣にストアコンセプトをインプット、後半で彩ユニオンさんのご支援を頂きながら具体的な店舗設計とVMD立案をしていき、収支計画まで整えたものを最後に社長(彩ユニオンさんの社長です!!)にプレゼンして「採用される1店舗が決まる」という筋書きです。
こんな内容でホントに授業成立するのかいな!?・・・
結果からいうと、メチャメチャ成立しました。
もちろん人により参加への温度差はありますが、それでも闊達に意見交換し、一生懸命ワークシートに取組んで、中間インプットも社長プレゼンもバッチリやってくれました。正直感動しました。
座学ゼロの完全演習授業。私の役割は、授業の全体進行のマネジメントと質問責めにあうこと!どんな質問にも具体的にわかりやすく答える!!なんならアイデア出す!!こんなスタンスで、学生と楽しく色々な話ができてすごく楽しかったです。
授業開始直後に特別授業として訪れた彩ユニオンさんのショールーム。
これがまた見たことのない世界で楽しかったようです。
この授業の内容を、今回の展示会で彩ユニオンさんが紹介してくださいました。パネル展示と、各チームの成果物、彩ユニオンさんから各チームへのフィードバックシート、授業資料などの現物展示。見事第1位を獲得し出店を果たしたチームへの表彰状が輝いていました。
この科目は大学の産学連携取組みの一要素で、それを黒子として上手に回すのが私の役割です。縁の下を支える黒子の立場として、展示会で授業のご紹介を頂いたこと、そしてなにより彩ユニオンさんの手厚いご協力を頂いたことが大変ありがたく、おかげさまで授業が成功したものと深く感謝しています。
3年次の産学連携授業では、学生が売れ残り商材をリメイクして店舗で販売する実習があります。これがまたZ世代の感性が盛り込まれた素晴らしいリメイク作品なのですが、展示会にあった紙マネキンにこれらのリメイク作品を着装させて展示したら素晴らしいかも!というお申し入れがありました。本当にそう思います。
自分たちの創った作品が、最先端のマネキンというプロダクトと融合して展示されたら学生のモチベーションも上がるでしょう。来年はこれを目指していきたいと思います。